市場にも春の息吹が届きました!!!
さあ、4月に入り、当市場青果部に入荷される野菜たちも一段と春らしさを帯びてきました!
そんな青果物を目当てに、今日もたくさんの業界関係者がせり場に集まっています。
さて、今回は4月に入荷のピークを迎えるものをご紹介します。
まずは、「ヒトビロ」です! 「ギョウジャニンニク」という名前でも親しまれていますよね。
「ギョウジャニンニク」という名前の由来は、山にこもる修験道の行者が食べたことからとも、逆にこれを食べると滋養がつきすぎて修行にならないため、食べることを禁じられたからとも言われているそうです。
「ヒトビロ」の持つ独特の匂いや味を考えると、禁じられたという話も信憑性がありますよね。
「ギョウジャニンニク」の匂いはニラとニンニクと漬物臭が合わさったものということ。
そのニンニク臭の効果を狙ったのか、アイヌ民族や昔のヨーロッパでは、魔物をはらう力があると考えられていたそうです。
次にご紹介するのが、「ふきのとう」です。
私は「ふき」(お味噌汁などの具材に使われる茎状のものです)は、幼少期からよく食べていたのですが、「ふきのとう」は市場に来て、初めて知りました。
ちなみに、私たちが一般的に食べている「ふき」は、”葉柄”という茎のような地表に出ている部分で、本当の茎は地中に埋もれているとのこと。
そして、「ふきのとう」は地上に出ている”つぼみ”の部分です。
「ふきのとう」は、独特な芳香と、さわやかな苦味があり、天ぷらにするとおいしいそうですよ。
どのような味がするのかワクワクしますね。
最後にご紹介するのは、「たけのこ」です。
先ほどご紹介した「ヒトビロ」、「ふきのとう」は道内産の天然物ですが、こちらは熊本産です。
さて、その大きさを私の愛用しているスマートフォンと比べてみると・・・
さて、仲卸業者さんに聞いてみると、今年は「たけのこ」の”裏年”ということ。
”表年”と”裏年”を簡単に説明しますと、”表年”=豊作の年、”裏年”=不作の年のことで、”表年”と”裏年”を交互に繰り返すのだとか。
なぜ”表年”と”裏年”があるのかを、いろいろと調べてみたのですが、よくわかりません(汗)
ただ、同じように”表年”と”裏年”がある「温州みかん」では、”表年”にたくさんのみかんがなると、光合成で作られた糖分が大量に消費され、次の年には葉や枝、根に糖分があまり蓄えられないことや、また、みかんがなった時に、ある植物ホルモンが作られ、それがみかんの花の成長を邪魔するため、豊作の”表年”の翌年は”裏年”になるということでした。
今年の「たけのこ」は”裏年”ということで、入荷量も少なく、金額も高めということです。
もうひとつ仲卸業者さんが教えてくれたことが、「たけのこ」が入っているダンボールには”吸水材”が入っていることがあるということ。これを入れないと、「たけのこ」の根元の部分が溶けることもあるとか。そんなこともあるのですね~。
ということで、春の到来を告げてくれそうな3種類の野菜をご紹介しました。
「ヒトビロ」以外は、小売屋さんの店頭では、なかなかお目にかかれないかもしれませんが、機会がありましたらぜひご賞味ください。
「山に行けば、いくらでも採れるさ!」という強者の方も、山菜採りの際には注意してくださいね。