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市場からこんにちは!すっかり旬の時期を外してしまいましたが、北海道の秋を代表する天然きのこ「らくようきのこ」をご紹介いたします。
正式名称は「ハナイグチ」といい、カラマツ林の落ち葉の下に群生することから北海道では「落葉(らくよう)きのこ」と呼ばれています。傘はオレンジ色で裏側は黄色いスポンジ状、ほどよいぬめりと柔らかな食感が特徴です。

「らくようきのこ」は下処理をしてから調理するのが基本で、その独特のぬめりを活かす料理が特におすすめです。味噌汁に加えると、きのこから染み出す旨味が出汁を一層豊かにし、秋らしい香りが広がります。しょうゆや麺つゆで煮込めば、ご飯のお供にぴったりの佃煮となり、さらに、バター醤油やオイスターソースで炒めれば洋風の料理にもよく合い、パスタや炒め物として楽しむこともできます。
どんな調理法でも、「らくようきのこ」の持つ独特の風味と食感が料理全体を引き立ててくれること間違いなしです。

ご紹介が旬のピークを過ぎてしまいましたが、今後見かけることがあればぜひご賞味ください!
市場からこんにちは!
卸売場を歩いていると、思わず足を止めてしまう珍しい食材に出会いました。

一見するとどうやって食べるのか想像もつかないこちらは、なんと「タコの白子」です。
一般的に「白子」といえば真鱈の白子である「真たち」を思い浮かべることが多いですよね。それもそのはず、「タコの白子」は一匹からとれる量が限られており、非常に流通量が少ない食材なのです。
(真たちの紹介記事はコチラ。)

食べ方は「真たち」とよく似ていて、天ぷらや鍋料理に加えると絶品です。味わいも似ていますが、「タコの白子」ならではの、ひと味違った楽しみ方が出来るそうです。軽く炙って香ばしさを添えたり、ポン酢でさっぱりいただくのもおすすめです。
出会う機会は少ないかもしれませんが、見かけた際にはぜひご賞味ください!
市場からこんにちは。寒さが厳しくなるこの季節、ぜひご紹介したいのが、ちぢみほうれん草です。

ちぢみほうれん草は、その名のとおり葉が縮れており、地面にへばりつくように低く育つのが特徴です。これは、寒さに耐えるために自ら糖分を蓄える性質によるもので、旬である真冬の間、寒さに晒されるほど、通常のほうれん草より糖度が高くなり、強い甘みが生まれます。
この肉厚で縮れた葉は、食感も豊かです。おひたしやサラダはもちろん、さっと火を通す炒め物や鍋物にも最適です。本品種は、鉄分、ビタミンC、カロテンなどを豊富に含有しています。冬の寒さが引き出した、この時期だけの濃厚な甘みを持つ「ちぢみほうれん草」を、ぜひご家庭で味わってみてください。
市場からこんにちは!冷え込みが厳しくなるこの季節、市場には見た目も鮮やかな高級食材が並びます。今回ご紹介するのは、「ボタンエビ」です。
その名の通り、牡丹の花のように美しい赤色をしており、北海道を代表する最高級のエビの一つです。

ボタンエビの主な漁期は、冬から春先にかけてで、特に寒い時期に身が締まり、甘みが増します。北海道では、道北からオホーツク海沿岸で多く水揚げされます。
ボタンエビの最大の魅力は、濃厚な甘みと、プリプリの食感です。まず鮮度の良いものを刺身で味わってみてください。そして、見逃せないのが頭部。味噌にはエビの旨味が凝縮されており、軽く焼いて醤油をたらしたり、お味噌汁の出汁にしたりすると、深い味わいを楽しめます。

ボタンエビは、成長過程で性別が変わるという、ユニークな生態を持っています。生まれてしばらくは、オスとして成長し、ある程度の大きさになるとメスに性別が変わる性質があります。メスが持つ青緑色の卵は、プチプチとした食感と濃厚な旨味があり、身とは違う美味しさがあります。
見た目の美しさ、濃厚な甘さ、そしてユニークな生態まで、魅力あふれる「ボタンエビ」。この寒い季節に旬を迎える「海の赤いダイヤ」を、ぜひ一度、新鮮な刺身と頭の味噌まで余すことなくご賞味ください。
市場からこんにちは。今回ご紹介するのは、食卓に鮮やかな赤色を添えてくれる、冬の旬の野菜、赤かぶです。美しい皮の色とは対照的に、果肉は白く、シャキシャキとした食感とほんのりとした甘みが特徴。10月頃から旬を迎え、寒くなるほど美味しくなる野菜です。

赤かぶの魅力は、その色を活かした加工のしやすさにあります。特に日本の食文化では、漬物として欠かせません。皮の赤色が中までじんわりと染み込み、美しいピンク色に仕上がります。この鮮やかな彩りが、食卓を華やかに演出してくれます。

もちろん、生で食べる以外にも、煮物や炒め物に使っても美味しくいただけます。火を通すと甘みが増し、柔らかくなります。赤かぶは、美味しいだけでなく、ビタミンCや食物繊維をバランス良く含んだ、冬の健康維持にも嬉しい野菜です。

この冬は、鮮やかな「赤かぶ」を使って、様々な料理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
市場からこんにちは。令和7年11月28日(金曜日)に、道東沖で獲れたナガス鯨が当市場に上場しました。これは捕鯨母船『関鯨丸』(共同船舶株式会社)によって水揚げされたものです。


品質の良い部位の肉が厳選され、生のまま市場に並びました。

ナガス鯨の上場に売り場は大変な賑わいを見せ、午前5時45分に開札が行われました。本日の最高値は、尾身がキログラムあたり150,034円という価格で取引されました。

市場を彩る鯨肉の取引は、毎回大きな活気と注目を集めました。なかなか出会えない鯨肉。ぜひ一度、ご賞味ください!!!
市場からこんにちは。今回ご紹介するのは、北海道の秋の味覚の中でも、特別な存在として扱われる「鮭児(けいじ)」です。

鮭児は、秋に獲れるシロザケのうち、まだ産卵期ではない若く未成熟な鮭のことを指します。その漁獲量は極めて少なく、一万尾にわずか一、二尾しか獲れないと言われています。この桁違いの希少性から、「幻の鮭」と呼ばれ、市場では高値で取引されます。ちなみに、先日市場では3kgを超える大きな鮭児の入荷がありました 。

なぜこれほど珍重されるかというと、それは身にあります。未成熟であるため、通常なら卵や白子になるはずの栄養と脂が、全身の身に均等に蓄えられています。そのため、一般的な鮭では味わえない、とろけるような食感と、際立って上質な脂の甘みが楽しめます。旬の時期は短く、主に10月から11月頃に限定されます。
この格別な味わいを楽しむための調理法としては、シンプルに刺身や寿司といった生食が挙げられます。とろりとした舌触りと、口の中でとろける脂の旨みが際立ちます。
市場ですら滅多に出会えない特別な秋の贈り物「鮭児」。もし見かけたら、その味わいを堪能してみてください。