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食の安全・安心を守ります!「有毒魚及びふぐの取扱いに係る講習会」を開催!

札幌市中央卸売市場では、毎日数えきれないほど多くの魚を取り扱い、消費者へ魚を供給しています。

例えばふぐに毒があることは皆さんご存知だと思いますが、そのほかにも毒を持つ魚がいるそうです。
そんな毒を持つ魚が消費者に販売されるようなことがあっては大変なので、札幌市保健所が6月10日、水産の卸売業者さん、仲卸業者さんの鮮魚担当者を対象に、「有毒魚及びふぐの取扱いに係る講習会」を開催しました。

講習会の開催にあたり、食品衛生法の改正により※HACCP(ハサップ)の導入が義務化されたことから、先日当ホームページでもご案内した「札幌市中央卸売市場 品質・衛生ハンドブック」を参考に、全国に先駆けて取り組んでいきたいとの挨拶がありました。
※HACCPとは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法です。(厚生労働省HPより)

初めに「有毒魚・不明魚の取扱い」に関する講義が、札幌市保健所の食品衛生監視員の坂本さんから行われました。

有毒魚や不明魚を食の台所ともいえる市場で取り扱うと、消費者の皆さんへの健康被害や、市場の信用失墜につながることから、有毒魚・不明魚の特徴や、取扱いに関する説明が行われました。

国が取扱いを禁止・自粛するよう求めている魚のほかにも、当市場が独自に販売を自粛している魚もたくさんあるそうです。今回は皆さんにもその一部をご紹介します。
「有毒魚・不明魚の取扱いについて」抜粋(PDF:約1MB)

また、食べられる魚と間違えやすい有毒魚もいることから、保健所で作成した「有毒魚ハンドブック」を参考に、仕入れにあたっては魚種について確実な検品を行い、名称のわからない魚は販売しないようにとの説明がありました。

売場で実際に使われるハンドブックには、防水加工を施す工夫をしているそうです。

皆さんは普段目にすることは少ないと思いますが、有毒魚を一部ご紹介します。

写真左【イシナギ】肝臓にビタミンAが過剰に含まれるため、肝臓が除去されていないものは厚生労働省通知により販売が禁止されている。特徴は、体表に白色縦線の名残があり(大型魚)、シマゾイは黄色。シマゾイとの違いを覚えるといいとのこと。
写真右【バラハタ】日本国内において最も多くのシガテラ食中毒を引き起こしている魚種。尾ヒレが深く湾入しているのが特徴。当市場では販売を自粛している。

続いて食品衛生監視員の松本さんから「ふぐの取扱い」に関する講義が行われました。

フグにはテトロドトキシンという毒があるそうですが、種類によって食べられる部位が違うことはご存知でしょうか。講義の内容について、その一部をご紹介します。

【トラフグ】黒紋があり、まわりは白い。背面、腹面に小棘が密生。臀鰭(しりびれ)が白色または紅色。
食べることができる部分は筋肉、皮、精巣。

【マフグ】黒紋はあるが、まわりは白くない。体表に小棘はない。臀鰭(しりびれ)が黄色。
食べることができる部分は筋肉、精巣。

以上のように、同じフグでも食べることができるところが違うのだそうです。
また、マフグとトラフグなど異なる種のフグが交雑した個体や魚体のすべてが有毒なフグもいることから、食の安全・安心を守るため、食品衛生監視員は毎朝売場の監視を行っています。
このほかにも、ふぐに関する違反事例の紹介や販売してはいけない魚、販売自粛を指導する魚の説明などがあり、参加者は真剣な眼差しで説明を聞いていました。

最後に、安全で安心な生鮮食料品等を市民に届けるため、市場で働く人たちに品質・衛生管理の基本的な取り組みを知ってもらうために当市場コンプライアンス推進会議が作成した「札幌市中央卸売市場 品質・衛生ハンドブック」の説明がありました。

品質・衛生ハンドブック

当市場は、消費者の皆様に安全・安心な魚をお届けできるよう、これからも様々な取り組みを行っていきます。
今月下旬にも生かきや貝類に関する講習会なども予定されているそうなので、後日ご紹介したいと思います。